TATTOO MEANING
ライオン(獅子)のタトゥーの意味
ライオン(獅子)のタトゥーデザインの意味
百獣の王として知られる「ライオン」は、もっとも強い動物として、タトゥーでも人気の高いモチーフの一つです。
デザインとしては特徴的な凛々しい鬣(たてがみ)を持つオスのライオンを選ばれる事が多いです。
ライオンのタトゥーにはどんな意味があるのでしょうか?
古来よりライオンは最も強い動物とされ、向かうところ敵なしで天敵は人間のみとも言われます。
力のシンボルとして富や権力を誇示する為に、紀元前850年ごろには既に当時の王によって飼われていたと言う記録もあるそうです。
動物同士を戦わせたり、また剣闘士とライオンを戦わせたり、自然界の王者の弱い姿を見る事で、人間がいかに優れた生き物であるのかを誇示していたとも言われています。
古代エジプトのスフィンクスはライオンの体を持ち、ライオンが神格化されたものとされます。
古代エジプト神話に登場するセクメトはラーの左目から生まれたとされ、「強力な者」と言う称号を与えられ、戦いの神としてライオンの頭を持ち、王の守護神とされています。
ヒンドゥー教では3つの最高神の1つであるビシュヌの第4の化身とされるナラシンハはライオンの頭と人間の体を持っています。
インド神話の中で「ヒラニヤカシプ」と言う王は全世界を征服し、自分が神であると人々に強制的に言わせており、その行いに怒ったビシュヌはナラシンハとして柱からあらわれ、ヒラニヤカシプの胸を切り裂き、全ての血をすすって殺したとされます。
そこから南インドを中心にナラシンハ信仰が根強く残っていると言われています。
仏教においては、経典や像などに獅子を見受ける事が多いですが、
この獅子は元をたどるとエジプトのスフィンクスが起源とされています。
エジプトからインド、インドから中国、中国から日本と言う風に仏教の伝来と共に伝わったのだそうです。
百獣の王としてのライオンの存在は仏教でも変わらず、生き物の王者とされ、王者に相応しく、仏様の座る席は「獅子座」とも呼ばれています。
キリスト教ではマルコ福音書の著者「ヨハネ・マルコ」は、聖遺物をアレキサンドリアからヴェネツィアに運ばれヴェニスの守護聖人となりました。
マルコ福音書やマルコは翼を持つライオンで表されます。
これには、マルコ福音書の最初に登場する洗礼者ヨハネは、ライオンが多く住む荒野に生活をしていたからと言う説や、キリストの威厳を伝えるマルコ福音書は力の象徴であるライオンに通じるからと言った説があります。
勇猛さや権力を象徴するライオンは王家の紋章や国旗などにも多く使用されていて、また国の象徴とされる国獣には全ての動物の中でライオンが一番多く、イギリスやオランダ、エチオピアなど多くの国がライオンを国獣としています。
ちなみに日本の国獣はキジと錦鯉なんだそうです。
当タトゥースタジオのある大阪には「ライオン橋」と呼ばれる橋があります。
橋の南北四隅にはライオンの石像が設置されていて、左側は阿形の口を開いたライオンで、右側は吽刑の口を閉じたライオンで寺院の狛犬の様に阿吽のセットになっていて、橋を通る人々を出迎えてくれます。
ライオンが象徴する意味:
- 「勇敢」
- 「威厳」
- 「正義」
- 「気品」
- 「権力」
- 「知恵」
ライオン(獅子)にちなんだ言葉
獅子の子落とし:これは、獅子(ライオン)は自分の子を谷底へ投げ落として、這い上がってくる事が出来た者のみを育てると言う言い伝えに基づいています。
可愛いわが子に厳しい試練を与えて、その子の才能を試し、また厳しくする事で一人前の人間に育てると言った意味があります。
実際にはライオンは自分の子をわざと谷底へ落とす様な事はないそうです。
深い考えや道理を持った親でないと、子供の為とそこまで出来ないかもしれませんね。
獅子身中の虫:獅子の体の中に寄生して、ついには獅子を死に至らしめる虫の事を言います。
元々は仏教の教えの中で、仏教徒でありながら仏教に害を与える者の意味で用いられていましたが、会社内などの内部にいながら会社に悪い影響を与える、恩を仇で返すと言った意味で用いられます。
「唐獅子牡丹」では、この寄生虫がボタンの夜露にあたると死んでしまう為、唐獅子は牡丹の下で眠りにつく、唐獅子にとって唯一安らげる場所と言う意味があります。