TATTOO MEANING

風神(フウジン)のタトゥーの意味

風神(フウジン)のタトゥーの意味とは?

LUCKY ROUND TATTOOの風神のタトゥー

風神は風の神として、古くから親しまれ刺青でも雷神と対にしたデザインで彫られる事も多い図柄です。

古代インドの最も古い聖典の一つである「リグ・ヴェーダ」に登場します。
ヒンドゥー教が生まれる前のバラモン教では、風や火や水など自然現象が神格化され信仰されてきました。
バラモン教では風神は「ヴァーユ」と呼ばれ、赤い二頭の馬が引く馬車に乗って天を駆け、風を司り、悪神を追い払い、豊穣や福徳を授ける神とされています。
この頃の風神には、特徴的な風袋は描かれていないようです。
1世紀から3世紀頃に栄えたクシャーナ朝でカシニカ王が統治していた時に造られたとされるコインには、風神の特徴でもある風袋を抱えた姿が描かれているのだそうです。

インドの神々は仏教に取り入れられ、中国へと伝わります。
世界遺産でもある中国の敦煌石窟の壁には風袋を持つ風神と雷神がセットで描かれています。
風神と雷神の間には戦いの神である阿修羅神が描かれ、二神が阿修羅を守っていると言われています。
風神と雷神をセットに描く考えは、この頃にはすでにあったのでしょう。
自然を崇拝し、除災を願う思いから崇められたと言われています。
仏教では悪を懲らしめ、善を勧めて風雨を整える神として信仰されています。

風神は日本の最も古い歴史書である「古事記」の中で既に言及されており、沢山の神を産み出したイザナギとイザナミとの間に風を司る神として生まれたとされています。
奈良時代に作成された歴史書である「日本書紀」の中では、イザナギとイザナミが人類が生存する為の島を造った際にはまだ朝霧が立ち込めていたので、息を吹いて朝霧を吹き払い、霧が晴れて太陽が現れました。その息吹によって風神が生まれたと書かれているのだそうです。
神道の神様の中でも一番古い神様の内の一尊とされています。

LUCKY ROUND TATTOOの龍に乗る風神のタトゥーデザイン

農耕民族である日本の民は、仏教が伝来する前から農作物を暴風雨から守る為に風神に祈りを捧げ、怒りを鎮める風神祭を行ってきたのだそうです。

その後仏教と日本の文化が融合し、形を変え独自に展開されていきます。
京都の三十三間堂に風神雷神と二十八部衆が安置されていますが、 日本では阿修羅神を守る為でなく、千手観音の元で仏教と信者を守っているのだそうです。

日本では、江戸時代初期の画家「俵屋宗達」が金屏風に描いた国宝の風神雷神図がとても有名です。
それまでは脇に控え、あまり注目される事のなかった二神ですが、 右端と左端に風神と雷神のみがダイナミックに描かれた構図は高い評価を受け、風神雷神がここまで知られる様になったきっかけだとも言われています。
風袋を背中に背負い、雲に乗って天を駆け、愛嬌のある表情をした鬼の様な見た目をしています。

風邪薬のCMに登場し、「風邪ひいてまんねん」のセリフでおなじみの風神さんは、当タトゥースタジオのある大阪の会社のキャラクターだそうで、豊臣秀吉の時代から薬の町として知られる道修町にある少彦名神社で行われる神農祭では、キャラクターの風神さんも登場して、お祭りを盛り上げているのだそうです。

風神が象徴する意味:

  • 「豊穣」
  • 「子孫繁栄」
  • 「福富」
  • 「富貴栄達」
  • 「健康」

風神にちなんだ言葉

風邪を引くと言いますが、「風邪」の「邪」は「邪気」の「邪」であり、風の神が邪気であるとされていた事もあります。
邪気は風に乗ってさまよい、人々の体に入り込んで悪さをする。
風神を祀るのは農作物の豊穣を祈る為だけでなく、病気をもたらす悪い風の神を鎮めると言う目的もあった様です。