TATTOO MEANING
天狗(烏天狗)のタトゥーの意味
天狗(烏天狗)のタトゥーの意味とは?
日本の伝説や伝記上の生き物で、神とも妖怪ともされる天狗のタトゥーデザインや意味を紹介します。
長い鼻で赤い顔をした天狗のデザインが一般的です。
天狗の面がよく売られていますが、天狗の面もタトゥーデザインとして人気があります。
山伏のような装束の姿に一本の歯の高下駄をはき、背中に翼があり手に持った葉団扇で風を操り空を自在に飛ぶとも言われています。
天狗は神として崇められる地域と、妖怪として恐れられる地域がありますが、どう言った違いがあるのでしょうか?
天狗が神として崇められるのは、一説には山岳信仰が深く関係すると言われています。
山は私たち人間に様々な恵みをもたらしてくれます。
山の頂上に登ると、その迫りくる雄大な姿に圧倒されます。
同時に一歩でも道を踏み外せば少しの不注意で命を落とす危険もある険しい道のりや地形に恐れを抱きます。
その山に畏敬の念を抱き、恐れ敬う心から山には霊的な力が備わるとして信仰の対象とされた事は自然な成り行きなのでしょう。
修験者と呼ばれる山伏たちは、霊的な力が備わる山の奥深くに入って厳しい修行をすることで、山の超自然的な力を身に付け、人々にその霊力を与えると言われています。
天狗が山伏の姿をしているのは、山からの霊力を得て神通力を身に付けた山伏がやがて天狗となったと言う説から来ているのだそうです。
TATTOOで山伏の装束を身に付けた天狗が描かれるのも、こういった説から来ているのでしょう。
また天狗は飯縄権現(いづなごんげん)と言う神を護るものとされ、除災開運、招福万来などの力を持つ神として崇められている地域もあります。
天狗は妖怪として恐れられてもいます。
調子に乗った傲慢な人を「天狗になっている」と言いますが、現世において精神的な修行を怠り知識だけを追い求めた慢心の山伏たちは死後に、仏教の知識があるため人間道には戻れず、仏教的な罪を犯した訳でもないため地獄にも堕ちず、仏教を信じる心もないため天道にも行けず、救済不能な「天狗道」と呼ばれる魔界に転生し、そのなれの果てが妖怪の天狗であり、仏道を妨げる魔性として恐れられているのだそうです。
天狗の起源とは?
天狗の起源はインドだと言われています。
古代インドの「流星」を意味する言葉が中国に渡った際に「天狗」と翻訳されたのだそうです。
中国では、悪い事が起こる前触れとしての流星を「天狗」とし、その姿は犬の様な姿に見立てられていました。
日本では舒明天皇9年(637年)に非常に巨大な流星が雷のような轟音とともに空を流れたのだそうです。
その時に、「旻」と言う唐に学を学び帰国していた学僧が「流星ではなく、天狗である」と言ったと言う文献が一番古いものだそうです。
その頃の日本は、干ばつがあったり、日食があったりした時代だそうで、人々は怪奇現象の一つとして、天狗と言うものを捉えていたと言われています。
他にも、日本神話に登場する「猿田彦(サルタヒコ)」と言う神が元となったという説もあります。
日本神話において、日本の国土は神々のすむ「高天原」と死者の住む「黄泉の国」の間にある世界とされていました。
その日本の国土を治める為に、邇邇藝命(ににぎのみこと)が高天原から地上へと向かうのを案内したのが「サルタヒコ」とされ、そのため、道の神や旅人の神と言われています。
日本書紀で、サルタヒコの姿は「鼻長七咫、背長七尺」と記載され、この鼻が長い姿が天狗の原形であるとも言われています。
大天狗と烏天狗の違いとは?
鼻の長い天狗と、鳥の嘴(くちばし)を持つ天狗がいますが、どう言った違いがあるのでしょうか?
鼻の長い天狗は「大天狗」と呼ばれ、鳥の嘴を持つ天狗は「烏天狗」と呼ばれ、区別される事もあります。
大天狗は他の天狗よりも強い力を持ち、位が高いとされます。
反対に烏天狗は小天狗とも言われ、大天狗に比べて位が低いとされますが、京都の鞍馬寺の鞍馬天狗は「僧正房」と言う別名もあり、最高位の天狗とされ、かの有名な牛若丸(源義経)に武術を教えた天狗として有名です。
牛若丸と天狗を描くデザインもありますね。
今回は鼻の長い大天狗の面にモミジの葉を散らしたタトゥーデザインです。
烏天狗で有名な鞍馬山も、秋の紅葉スポットとしてお勧めです。
当タトゥースタジオのある大阪では、お祭りに天狗が現れ子供たちの頭をトントンと叩いて回る地域もあるそうです。
天狗に頭を叩かれると、「かしこくなる」とも「元気な子供に育つ」とも言われています。