SIDDHAM
愛染明王(ウン)梵字の意味
愛染明王(ウン)の梵字のタトゥーデザイン
- 仏様
- 愛染明王
- 発音
- ウン
- 真言
- オン・マカ・ラギャ・バゾロ・シュウニシャ・バザラ・サトバ・ジャク・ウン・バン・コク
恋愛成就にご利益があると言われるのが愛染明王です。
多くの明王の様に、忿怒相と呼ばれる怒った様な恐ろしい表情をし、正面から見るとまるで怒られているかのようにも見えます。
愛染明王は梵名をラーガ・ラージャと言います。
ラーガとは、古来では「染め付ける」と言った意味で使われていた様ですが、時代を経るうちに「赤色・情欲」などを意味する言葉となります。
ラージャとは「王」を表し、ラーガ・ラージャで愛欲に染まった王と言う事で「愛染明王」となります。
愛染明王のお姿が赤い色をしているのも、ラーガの言葉から来ていると言われています。
愛染明王の梵字「ウン」だけでなく、特徴的な赤い姿はタトゥーデザインとして、背中一面などにダイナミックにデザインされる事も多いです。
仏教の中で人間が克服すべき最も根本的な三つの煩悩は「むさぼる心・怒りの心・無知の心」の「三毒」とされます。
むさぼる心は「欲」ですね。
欲は人間を破滅へと向かわせますが、その一方欲望は大きなエネルギーでもあります。
愛染明王は人間の本能である「愛欲」を自制して抑えるのではなく、仏への信仰心の力へと浄化し、自身を欲から解放しようとされる仏様です。
体の赤い色も特徴的ですが、頭上には、「獅子の冠」をかぶっています。
仏教の経典でよく使われる言葉に「獅子吼(ししく)」があります。
百獣の王である獅子が吠えれば他の猛獣たちは恐れをなし静かになるように、悪霊や外道など怨敵を恐れ従わせてこの世に生きているすべてのものを救済すると言う強い意志を表しているとも言われています。
そのほかの特徴として「真理」や「智慧」などが詰まった宝瓶に支えられた蓮華座の上に、仏教で最も尊い座り方とされる足を組んで足の甲を天に向ける「結跏趺坐」と呼ばれる座り方で座っています。
6本の手には、五鈷杵、五鈷鈴、弓、矢、蓮華、そして一つの手は何ももたず拳を握っているとされます。
弓と矢とは、まるで西洋の愛のキューピットの様ですね。
「愛」と付いたそのお名前の様に、「恋愛」や「結婚」などにご利益があると言われ、女性に人気があるのだそうです。
「愛される力がアップする」と言う事で、芸能人や企業家などにも人気があると言われています。
大阪には愛染明王を本尊とする「愛染堂」と言う寺院があります。
普段はお姿を見る事は出来ませんが、愛染明王の大縁日にあたる6月30日から7月2日まで行われる「愛染まつり」の期間中と、お正月には秘仏を拝む事が出来るそうです。