TATTOO MEANING
祈り手(プレイング・ハンズ)のタトゥーの意味
祈り手(プレイング・ハンズ)のタトゥーの意味とは?
祈り手(プレイング・ハンズ)は左右の掌(手のひら)を合わせて合掌をした手のデザインを指します。
英語では「Praying Hands」と言って、神への祈りを捧げる宗教的なタトゥーデザインとして人気があります。
ドイツのルネサンス期の画家「アルブレヒト・デューラー」は沢山の宗教的な作品を沢山残していますが、その中でも1508年に完成した「祈る手」は最も有名で、現在ではウィーンにある「アルベルティーナ美術館」に所蔵されているそうです。
アルブレヒトは17から18人兄弟で、3番目に生まれた次男なんだそうです。
一説にはあまり裕福ではない家だった為、子供たち全員を学校に行かす事は出来ず、次男であるアルブレヒトと長男はコイントスをして、どちらかが学校へ行き、もう一人は働いて学費を捻出し、学校を卒業したらそれぞれの役割を交代しようと言う賭けを行いました。
その賭けに勝ったアルブレヒトは芸術学校に通い猛勉強をして、賭けに負けた長男は危険な鉱山で働き学費を稼ぎました。
4年後に帰郷したアルブレヒトは、「アルブレヒトが立派な画家になります様に」と手を合わせて祈りを捧げるお兄さんの姿を目撃します。
4年間のきつい仕事でボロボロになったお兄さんの手は、関節が曲がり絵筆を持てる状態ではなかったのだそうです。
この手に感銘を受けて、アルブレヒトは涙を流して「お兄さんの手を描かせて欲しい」と懇願して描かれたのが「祈る手」の作品なのだそうです。
家族の強い絆や宗教観を表す象徴としてタトゥーデザインとして描かれる事も多いのかもしれません。
二人の兄弟の話しはとても心温まる逸話ですが、アルブレヒトのお父さんは金細工職人として成功を収めていたので、この様な賭けが行われた証拠はなく、アルブレヒト自身の手を描いたと言う説もあります。
現在では祈り手のモチーフは宗教的な意味はもちろん、家族や恋人など亡くなった方へ捧げると言った意味や、または子供が産まれた記念、苦難や試練を乗り越えた証、絶望から這い上がるガイドなど、様々な意味で選ばれている様です。
ロザリオや文字と一緒にデザインされる事も多いです。
祈り手(プレイング・ハンズ)が象徴する意味:
- 「愛」
- 「家族愛」
- 「平和」
- 「思い出」
- 「幸運」
- 「死」
宗教による祈り手の違い
仏教では礼拝の作法として、左右両方の手のひらを合わせて合掌をします。
これは仏を表す清浄な右手と、己を表す不浄さのある左手を合わせる事で、仏と一体になるという意味があるのだそうです。
インドやタイなどでは挨拶の時にも、用いられます。
キリスト教では祈りを捧げる際に特に決まったポーズはなく、合掌をしたり胸の前で手を組んだりと教会によって異なるのだそうです。
形が問題なのではなく、神様に心を向ける事が大切だとされています。