TATTOO MEANING
菊のタトゥーの意味
菊のタトゥーの意味とは?
菊の花は日本の伝統刺青の花の中で、牡丹と同じく代表的な図柄の一つとされています。
龍と共にデザインしたり、菊を主題に描く事も多いです。
どうして、菊が日本を象徴する花の一つとなったのでしょうか?
菊の歴史は古く、中国では、周の穆王(ぼくおう)の侍童が、「菊の夜露を飲んで不老不死となった」と言う説から、菊が不老不死の薬草として用いられたのだそうです。
9月9日の「重陽」と呼ばれる節句がありますが、中国の陰陽思想では、奇数は陽であり、一桁の数字の中で一番大きい9は、陽の気が強すぎるため、不吉とされていました。
その後時代は移り変わり、陽の気が強いのは吉祥と考えられるようになり、人々は菊の花びらを浮かべたお酒を飲んだり菊の花を飾ったりして、邪気を払い長寿を願ったのだそうです。
また菊、梅、竹、蘭、の4種は「四君子」、すなわち徳と学識、礼儀を備えた人(君子)の特性に似ているとして、珍重されてきました。
菊は冬の本格的な寒さが始まる前の晩秋の寒さの中でも綺麗に咲き誇る為、その姿が気品ある美しさであるとされました。
日本へは奈良時代に中国から伝わり、平安時代の頃には血気を盛んにし老いを除く不老長寿の薬効がある薬草として用いられていたのだそうです。
中国の重陽の節句と同じ様に菊酒を飲む他、菊の花に黄色く染められた綿をかぶせて夜露を含ませ、翌日にその綿で体を拭い老いを拭い去る行事も行われていたのだそうです。
菊の紋様「菊紋」は天皇家や皇室の紋として使用されていますが、
これは後鳥羽上皇が菊の紋章を身の回りの物に用いていた事から正式な紋として採用されたと言う説が有力です。
天皇家を代表するシンボルとして高貴さや崇高なイメージのある菊紋はその後公家や武家の間でも家紋として使用されてきました。
日本のパスポートの表面には菊の紋様が描かれていますが、まるで太陽をもイメージできる菊の花の紋は日出国(ひいずるくに)とも言われる日本のイメージとも重なり、現在では日本を象徴するマークとして用いられる事もあります。
菊は秋を代表する花として、江戸時代の頃からは観賞用として広く栽培される様になり、品種改良が繰り返されてきました。
日本で品種改良されてきた種類は和菊と呼ばれ、西ヨーロッパ中心に改良されてきた種類は洋菊と呼ばれています。
菊は英語で「Chrisanthemum」と言い、これはギリシャ語の金を意味する「chrysos」と花を意味する「anthemon」から付けられたのだそうです。
フランスなどヨーロッパの一部では、日本と同じ様にお墓に菊を供える習慣があるのだそうです。
一般的な理由として、11月1日の諸聖人の日と言う祝日にお墓参りに行く人が多く、その時期に咲いている花は菊くらいで、霜にも強く、長持ちすると言った理由なのだそうです。
この影響から、日本でも仏花や献花として菊の花を供えるようになったと言う説もあります。
当タトゥースタジオのある大阪では、菊の花でその年のNHK大河ドラマの登場人物などを模る「ひらかた大菊人形」と呼ばれたイベントが2005年まで行われ、毎年沢山の人が菊の観賞を楽しみにしていましたが、後継者不足などの理由から残念ながら終わってしまいました。
菊が象徴する意味:
- 「高貴」
- 「高潔」
- 「清浄」
- 「不老不死」
- 「無病息災」
- 「完璧」
菊にちなんだ言葉
六日の菖蒲、十日の菊:
時期に遅れて、役に立たない事を指します。
菖蒲(あやめ)は5月5日の端午の節句に飾られ、菊は9月9日の重陽の節句に飾られますので、それぞれ一日過ぎた6日、10日にあっても用いる事は出来ず、役に立たないものとなってしまいます。
春蘭秋菊倶に廃すべからず: 春に咲く蘭も、秋に咲く菊もどちらもそれぞれの良さがあり、甲乙を付けがたいと言う意味から、優劣を付けにくいと言う意味で用いられます。
百人一首の中にも菊を題材にした和歌「心あてに折らばやをらむ初霜のおきまどはせる白菊の花」があります。秋を表す季語として歌われる事も多いのだそうです。